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総業83年の仙田タンス店が明日25日から閉店セール開催

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写真=「今まで店を続けてこられたのもお客様のおかげ」と話す一義さんとミネさん

 これまでの感謝を込めて。上越市西本町1の桐タンス、和家具などの製造販売、修理を行う「仙田タンス店」(仙田一義店主)がこのほど、83年の店の歴史に幕を下ろすこととなった。25日〜7月12日まで、桐タンスや食器棚など、店内在庫商品を表示価格の5割〜7割引で販売する。
 創業は1932年(昭和7年)。現在の2代目店主、一義さん(79)の父親、故・一正さんが長岡市や東京都で桐タンス作りの修業を積んだ後、同所で開店した。父親の背中を見て育った一義さんは父の跡を継ぐため、16歳で加茂市へ修業に。一義さんが店に入って2年ほどが経過した頃、父親が病気のため、55歳の若さでこの世を去った。その後、妻ミネさん(75)と結婚し、これまで二人で店を切り盛りしてきた。
 昔は花嫁道具として、親が嫁ぐ娘にタンスを持たせるのは当たり前の時代。「あの頃は本当に忙しかった。店内が桐タンスであふれていた」と一義さん。高速道路がない時代、長時間をかけて県外など遠方へ配達に行くことも度々あったと振り返る。注文品を運び、家具を部屋に設置した時、「家具と部屋がマッチしたときは本当にうれしい。部屋も家具もお互いが一段と引き立つんですよ」。
 今回の閉店は「住宅事情や社会情勢の変化、家具業界の低迷、私自身の年齢もありますね」。これまでを振り返り、「今まで店を続けてこられたのもお客様や問屋さん、時代のおかげ。良いお客様に恵まれた。感謝の一言」と一義さん。
 閉店セールで販売するのは一義さんの目にかなった上質の家具。一義さんは「年は取ったけど家具を見る目は間違いない。現品限りのお買い得品です」と話す。店を閉めた後も古い桐タンスの再生、家具の修理は今まで通り、続けていくという。