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北陸新幹線開業を記念し「小林古径」特別展

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写真=「古径の印章を所蔵している施設は日本でここだけ」と説明する笹川学芸員

 北陸新幹線開業を記念し、上越市生まれの近代日本画の巨匠、小林古径の初公開資料や作品を展示する企画展「小林古径 芸術へのいざない」が7日、小林古径記念美術館で始まった。会期は6月14日まで。
 昨年4月に購入した資料など、33点の初公開を含む105点が5室に分けて展示されている。本画は所蔵する11点すべてを展示した。1957年頃とみられる未完の絶筆「牡丹」は、淡い色合いが物悲しさを誘う。古径が15歳で上京する前の作品「少女」との対比が興味深い。
 展示の白眉は、作品に使われた52種類の印章。1913年に所蔵していた最も古い8点など、木、鉄、石、陶器などの材料に彫られた印章が一堂に並ぶ。笹川修一学芸員は「当時の所蔵者情報がしるされている鑑定箱書控ノートと合わせ、作品の真贋判定ができる非常に貴重な資料」と話す。
 古径の人となりが分かる資料としては、妻マスに宛てた絵入りはがき9枚がある。結婚前、2人の間に起きた愉快な出来事を絵に描いた一枚からは、古径のユーモア感覚や人柄がうかがえる。
 このほか、葬儀のときに読まれた前田青邨の辞、絵を学んだ梶田半古塾生の寄せ書き、結婚祝いで岡倉天心からもらった硯など、貴重な品々が展示されている。
 古径の特別展は1979年が初開催で、約1万5000人を集めた。96年に美術館建設へ向けて作品や資料の収集を始め、これまで2001年、12年にも特別展を開催してきた。笹川学芸員は「十数年かけて、ほぼ収蔵品だけで特別展が開催できたことは感慨深い」と話している。
 開館時間は午前9時から午後5時。月曜休館。入場料は一般400円、小中高校生200円。問い合わせは同美術館、523・8680。