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夏に向けて雪を貯蔵

 上越市北方の岩の原葡萄園で10日、雪室への雪入れ作業が行われた。6月中旬から10月中旬ごろまで、ワイン樽貯蔵庫の「第二号石蔵」の室温を18度以下に保つために利用される。
 雪室は川上善兵衛が1898年に夏季の温度調整のために造り、日本で初めてワインの低温発酵を可能にした。50年ほど前から使用されなくなり、資源エネルギー庁と市の補助金を使い、2005年に現在の新しい雪室が完成した。
 内部には雪が330トン貯蔵でき、室温は4度前後に保たれる。雪室で冷やした液体を第二号石蔵に循環させて冷房に利用する。以前はクーラーを使用していたが、雪を利用することで年間約4トンの二酸化炭素が削減できるという。
 同日は午前10時ごろから作業が始まった。重機で同社駐車場の雪を雪室近くまで集め、小型ロータリー式の除雪機で細かく砕きながら内部に飛ばした。作業は2日ほどで終了するという。
 第二号石蔵で製造されるワインが雪室の恩恵を受けるほか、雪室内に設けたタンクで「雪中貯蔵ワイン」が造られる。
 同社の岡本重孝広報担当部長は「いいワインを作るために善兵衛さんが英知を絞って作り出したもの。自然に感謝してワインを造っている岩の原らしいやり方」と話した。
=雪室に除雪機で雪を入れる作業(10日)