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金谷山ジャンプ台 解体工事始まる


 かつて日本トップクラスの選手も飛んだ上越市大貫の金谷山ジャンプ台の解体工事が10日、始まった。工事は周辺設備の解体も含め10月末に完了予定で、数々の大会が行われたジャンプ台が姿を消す。建設当時から知る市民からは「お疲れさま」と別れの声が聞かれた。
 市によるとジャンプ台は地元や県の選手の競技力向上を目的に作られたもので、通年利用できる40メートル級ジャンプ台。金谷山のジャンプ台として3代目になる。県の補助金など建設費約6200万円をかけて1981年6月に完成した。
 完成後、竣工記念の大会や日本トップクラス選手の強化合宿を兼ねたサーキットジャンプ大会が開催された。82年にナイター照明設備の設置で県選手の強化合宿に使用され、84年にはサマージャンプ大会が開かれた。しかし、昭和60年台あたりから競技人口の減少などにより利用者が年々減少。2004年には維持管理費および景観上の観点から、着地してからの滑走路部分のシートを撤去し、ジャンプ台としての利用を終えている。
 11年12月、市はジャンプ台がすでに体育施設としての機能がないことなどから廃止の方針を決め、金谷地区地域協議会に諮問。「スキー発祥の地であることを踏まえ十分な配慮が必要」との付帯意見を付けた上で廃止については適当と答申があり、議会の議決を経て今年4月1日に廃止となった。
 10日の解体工事には、ジャンプ台の建設に尽力した大貫の星野実さん(87)が駆け付けた。星野さんは国体出場経験もあるジャンプ選手。初代で練習を積み、2代目で大会に出場した。県スキー連盟の役員、ジャンプ競技の監督を務めた頃、若手選手の競技力向上やスキー発祥の地でスキーを盛んにしたいと3代目の建設を県や市へ陳情した。
 ごう音とともに解体されていく様子を、星野さんは思い出を胸に浮かべながら見守った。「寿命だからしょうがない。街に出ると高田西小学校辺りからよく見え、懐かしく思っていた。今はお疲れ様という気持ち」と静かに語った。
写真=ジャンプ台の解体工事を見守る星野さん