上越よみうりは読売新聞に無料で折り込まれる日刊紙です。旧上越市を中心に政治・経済・サークル活動・スポーツ・イベント等、身近な話題を取材報道している市民新聞です。

仲町3の金津さんが書の個展


 上越市仲町3の金津里子さん(48)が本城町の市立高田図書館内小川未明文学館市民ギャラリーで、初の書道の個展を開いている。東日本大震災で傷付いた人々へ「共に頑張ろう」という気持ちを込め、中越地震の被害を免れた作品など58点を展示する。会期は27日まで。入場無料。
 金津さんは長岡市出身で、4年前に上越市へ来た。現在仲町3で夫と飲食店を営む。日本書写技能検定協会の硬筆と毛筆の書写検定で最高位の1級に合格している。
 長岡市では医療関係の仕事をしながら大人に書道を教えていたが、2004年に中越地震を経験。実家は倒壊し作品は汚れるなどして失われた。その後日々の暮らしが忙しく書道を再開する機会は得られなかった。
 暮らしが落ち着いてきたころ、自分の心の拠り所はやはり書道だと感じた金津さん。「個展を開かないんですか」という飲食店の客の何気ない一言に後押しされ、個展開催を決意した。
 個展は雅号の桜塘から「桜塘個展」と題した。展示作品は、開催を知った実家近所の住民が所蔵品を提供してくれたものだ。また今の自分の書として、個展の前日まで書きためた漢詩の一節29作品を出品。「好きなことに挑戦してほしい」という思いを込めて書いたという。
 金津さんは「大きな出来事があった後、生活は普通に戻っても心は後戻りを繰り返す。しかし頑張っていればいつか何かを生み出せる。私もこの日を迎えられた。一緒に頑張っていきましょう」と話した。
写真=中越地震被害免れた作品出品