上越よみうりは読売新聞に無料で折り込まれる日刊紙です。旧上越市を中心に政治・経済・サークル活動・スポーツ・イベント等、身近な話題を取材報道している市民新聞です。

移設保存を 大和上越店「人魚像」

2010-0418-ningyo.jpg

 閉店まで間近となった大和上越店(上越市本町4)に1975年のオープン以来設置され、店のシンボルとなってきた「人魚像」を、保存しようという声が市民の中から上がっている。像は同市出身の児童文学作家、小川未明の「赤い蝋燭と人魚」にちなんで作られた。「建物とともに壊されるのは惜しい」と有志が移設に向けて模索している。
 同店には人魚像に関する詳しい資料が残っていないが、関係者の話を総合すると、大和上越店オープンに先駆けて社内で「上越を象徴するようなものを設置したい」との声が上がったという。その後、地元の意見などを踏まえて検討し、現在の人魚像が設置されたとみられる。かつては人魚像の周囲に噴水装置も設置されていたという。同じ本町商店街で営業している大島画廊の大嶋宰さん(82)は「店に訪れた多くの人が小銭を投げ入れるなど、大和のシンボルだった」と振り返る。
 だが、閉店後のまちづくりについて考える市やビル所有者らで作るワーキンググループが1月、既存ビルを解体し新たに低層商業施設を建設する方針を固め、このままでは人魚像も取り壊されることに。
 大嶋さんは「市民に親しまれ、一つの時代を築いた。歴史的なシンボルを壊してはいけない」と大和に移設を提案。だが大和はテナントとしてビルに入居した立場であることから閉店後、残務整理以外で同ビルに関わらないという方針で、人魚像の移設作業参加には難色を示した。
 大嶋さんは市などに相談し現在、移設先やその方法を模索中だ。「何とか残したい。市民の皆さんに関心を持ってほしい」と話している。
 弟がオープン時、大和の社員として人魚像設置にかかわった上越美術協会の池田稔会長(82)も「もったいない。人魚像は残すべきもの」と語っている。
写真=オープン以来設置され店のシンボルともなってきた人魚像